2022/10/05 11:51


写真のものは、明治の頃に作られた塗り盆。一枚一枚丁寧に和紙に包まれて保管されていました。そのお陰でしょう…目立った疵があまり無く、とても明治の頃のものとは思えない程の美しさです。

漆器というと、よく見かけるのが赤と黒。
漆の木から掻き採ったばかりの樹液は、不透明な乳白色をしています。空気に触れると次第に赤褐色に変化していきます。深い漆黒の美しさは、生漆に混入された水酸化鉄によって起こる化学反応によるものです。
漆黒…真の闇や艶やかな黒髪などの表現に使われますが、分かるような気がします。

シンプルな漆器の盆は今の食卓にもお使いいただけそうです。漆器と言うと和菓子を思い浮かべますが、洋菓子にもお使いいただけそうな…私には万能な器のように感じられます。
使いづらいイメージは、一度、横に置いていただいて、お使いいただけたら嬉しいです。